糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症・生理的飛蚊症・網膜裂孔・網膜剥離
目の奥の方(眼底)にある網膜の血管が弱り、白斑やむくみ、浮腫が見られる病気です。この病気は、成人の失明理由として最も多いものです。
上記の症状のほか、異常な血管が作られたり、硝子体出血が起きたりもし、もっと進行して網膜剥離が起きると、光を失うリスクがあります。
厄介なことに、糖尿病網膜症は自覚症状と病気の進行具合が一致するとは限りません。よって、糖尿病を患っている患者さまは、目に異常を感じていなくても定期的な眼底検査を受けるようにしてください。
治療方法はレーザー治療や、硝子体の手術が挙げられます。
VEGF(血管内皮増殖因子)の働きを抑える抗VEGF薬治療を行っていきます。
主に使用する薬剤は「ルセンティス」や「アイリーア」。眼球に薬剤を注射することで、浮腫の退縮、および新生血管の成長を抑える治療法です。
まずは月1回のペースで薬剤を硝子体に向けて注射していきます。その後は、 月一回の検査に応じて、病変部や視機能の推移を分析し、治療をするかどうかを検討していくのが基本的な流れです。検査は、視力検査・眼底検査・光干渉断層撮影等を組み合わせていきます。
ステロイド薬には炎症を抑える作用があります。そのため、ステロイド薬を目に注射して、黄斑のむくみを抑えるようにします。
①直接光凝固/血管にできたこぶや血液成分が漏れ出している血管にレーザー光線をあて、焼き固めます。
②格子状凝固/むくみのあるところに、格子状にレーザー光線をあて、むくみを改善します。
眼底出血の原因として一番多いのが、この「網膜静脈閉塞症」です。
網膜の静脈が血栓でふさがれ、血管が破裂してしまう病気です。
注射やレーザー治療、硝子体手術で問題解決を図りますが、状態によっては内服薬治療ですむ場合もあります。
網膜を走る静脈の一部に血栓がつまることで、その血管の周囲に出血します。
どこで出血が起きるかで症状は変わりますが、出血した場所の視野に悪影響を及ぼすほか、「黄斑」と呼ばれる網膜の中心部に出血があると大きな視力障害を引き起こします。
網膜内の太い静脈が破れて出血した状態で、眼底全体に出血が広がります。その結果、突如として激しい視力障害が発生します。
時間の経過とともに、敗れた血管周辺で網膜の間に水がたまってしまう「網膜浮腫」が起こります。
また、新生血管が発生しますが、新しい血管はすぐに破れてしまい出血を繰り返します。それによって硝子体で出血が認められたり、血管新生緑内障という症状が起きてしまい、最悪の場合は失明してしまいます。
VEGF(血管内皮増殖因子)の働きを抑える抗VEGF薬治療を行っていきます。
主に使用する薬剤は「ルセンティス」や「アイリーア」。眼球に薬剤を注射することで、浮腫の退縮、および新生血管の成長を抑える治療法です。
まずは月1回のペースで薬剤を硝子体に向けて注射していきます。その後は、 月一回の検査に応じて、病変部や視機能の推移を分析し、治療をするかどうかを検討していくのが基本的な流れです。検査は、視力検査・眼底検査・光干渉断層撮影等を組み合わせていきます。
レーザー光線をむくみのあるところに照射して、むくみを抑えます。また、光凝固は重症化を防ぐために予防的に行われる場合もあります。
炎症を抑える作用があるステロイド薬を目に注射して、黄斑のむくみを抑えます。
眼球の内側には、硝子体というゼリー状の器官があります。
その硝子体を形作る繊維には、年齢を重ねるに連れて濁りが生じてしまうことがあります。
それが黒い点となって見えるのが「生理的飛蚊症」と呼ばれる症状で、60歳ぐらいの人のおよそ3割に現れます。
これ自体は特に心配いらないのですが、黒い点がどんどん増えたり、視力が急激に悪くなったりした場合は、出血や網膜剥離の可能性もありますので、すぐに眼科を受診してください。
通常、硝子体は網膜と接しているのですが、高齢になるとゼリー状だった硝子体が液状に変化し、網膜からはがれてしまうことがあります。
この硝子体剥離が原因で網膜に穴が空いてしまうのが「網膜裂孔」、穴を中心に網膜がはがれてしまうのが「網膜剥離」と呼ばれる状態です。
最初のうちは「飛蚊症」と同じ症状ですが、放っておくと失明の危険性もあります。
網膜裂孔の場合はレーザーを使った通院治療、網膜剥離だと入院や手術まで必要になります。