比較的軽度で普通に暮らせるようであれば、薬を使って白内障の進行を抑えます。
濁る早さを抑えるための目薬や飲み薬を使いますので、この治療で白内障が完治したり、落ちた視力が元に戻ることはありません。
白内障が進み、生活に支障をきたすようであれば手術をします。
ほかの病気を患っている患者さまなどの場合は、全身の様子を見て時期を決定したり、手術そのもののやり方を工夫するなどして対応します。
患者さまの体の状態によっては、手術が行えない場合もあります。
角膜内皮細胞が少ない方、糖尿病コントロールが極端に悪い方はご相談ください。
一般的には、濁った水晶体を取り出し、代わりに人工のレンズを入れる「超音波水晶体乳化吸引術」という手術を行います。
病気が進行した後ですと、水晶体の核をすべて取り出す「水晶体嚢外摘出術」を行う場合もあります。
-
-
Step01
眼球を切り開き、水晶体を覆う膜(前嚢)を剥がす
-
-
Step02
前嚢を剥がしてできた穴から、水晶体を超音波で砕いて吸い出す
-
手術翌日からある程度は目を使っても大丈夫ですが、1~3ヶ月は炎症抑制や、感染症予防のために目薬をさしてください。
手術の後は、目が充血したり、ゴロゴロしたり、涙が出たり、かすんだりといったことがあります。しかし、これらは数日から2週間程度で収まりますので心配は無用です。
色の見え方に違和感を覚える場合もありますが、こちらも徐々に気にならなくなります。
お仕事や学校へは、それほどかからずに戻ることができます。
ただし、患者さまの健康状態やお仕事の内容などによって差が出ますので、医師と相談の上で決定してください。
また、手術が終わったら完治ではありませんので、医師の指示に従い、しばらくは定期健診を受けるようにしてください。
手術を受けてから数ヶ月から数年経った後に、目がかすんだり、まぶしさを感じるといった症状が再発することがあります。
これは「後発白内障」と呼ばれ、手術で摘出しなかった後嚢という部分が濁ることで起きるものです。
「手術を受けたのに」と心配する患者さまもいると思いますが、こちらは入院などの必要もなく、簡単にレーザー治療で解決することが可能です。
緑内障を治療するために使われる医療機器「iStent (アイステント)」。長さは1mm、重さは60㎍(0.00006g)の極小チタン製デバイスを、角膜と虹彩のつなぎ目にあたる線維柱帯に埋め込むことで、自然な房水排出を促していきます。房水の循環が改善すれば、眼圧が下がる効果が期待できます。
最大の特徴は、新たに切開をする必要がなく、白内障手術と同時に行えることです。視機能と眼圧の改善が同時に期待できるので、術後は眼圧を下げるために使用する点眼薬の数を減らせる場合もあります。